「一緒に走ろうよ。」


体操服に着がえたあたしに彰くんが言った。


「やめとけ。こいつ速いから。」


彰くんの提案は一瞬で消された。


「先輩のが速いじゃないですか。ということでよろしくお願いします。」


「お願いします。」


あたしも一礼した。


「分かったよ。」


先輩はめんどくさそうに言うと、あっちのはしまで走っていった。


「位置について」


「よーい」


「ドン!」