★ブルーの彼方★

「えーっと……


聞こえていますか? 夏季」



 優しく低い、口調の男の人の声がする。



誰だろう?




夏季って……私を呼んでる。



「夏季、二歳の誕生日おめでとう!



これから先もずっと、ずっとおめでとう♪



十年後も、二十年後も、百年後も、二百年後も……それは、言い過ぎか」


 そう言って、ふっと笑っているのが、伝わってくる。




二百十五歳の自分は確かに、想像できない……




どんだけ、シワシワになるんだろう。




この声は、もしかして……父なのかもしれない。



「元気にしてますか?



たくさん食べて、大きくなるんだよ!!



これから、どんな風な女の子に成長するのか……すごく楽しみです。



パパは、夏季の笑った顔も、泣いてる顔も、わがまま言ってだだこねてる顔も、どの顔も大好きだよ……」