★ブルーの彼方★

「何でだろうね…」


 母は伏し目がちに、ため息をついた。



その表情があまりに悲しそうで、見ているこっちまでが、苦しくなりそうだった。





 少し前に母が、母の恋人と食事をしよう。


そう、言ってた時は、あんなに楽しそうだったのに。



「やめちゃえばいいじゃん、再婚なんて!!」



 私はそう言い放ってた。





 母ははっとした顔をし、押し黙ってた。





 私は言ってはいけないことを、口にしてしまった……



でも、父の話を聞いたら、急に父にたまらなく会いたくなった。



会えるはずなんかないのに。



もしも、タイムマシンがあったら、父に会いに行けるのに。



きっと、母だって、複雑なんだと思った。