★ブルーの彼方★

「その彼ってさ、本当はただの遊び人だったんじゃないの?」



 しまった…話に水をさすようなことを言っちゃった。



「そうかもしれない。でもね、高校を卒業する頃、やっと想いが通じたの!!」



 すごく、嬉しそうに母は微笑んでた。



「彼は私に負けた! って言ってた。



こんなに長い間僕のことを、想ってくれる人なんか他にいないだろう。



だから、今まで苦しめてきた分、幸せにしたい。

そう言ってくれた。



それから、彼の両親は彼が幼い頃にガンで亡くなってて、ずっと祖母に育てられてきた。


だからきっと、自分も遺伝子的に長生き出来ないんじゃないか? って!


本気でぶつかってくる、ママみたいな人の想いに応えるのが怖かったらしいの…



幸せにはしてあげられないだろうし。



だから彼は、適当に軽く付き合える人としか、付き合いたくなかった。



でも、年齢を重ねていくうちに、やっぱり本気の恋がしたくなった!って」