★ブルーの彼方★

「それじゃ、お母さんも失恋たくさんした?」



「もちろん!



何度も、失敗した。



一人の人に二十回……いや、もっと振られたこともあった」



「二十回???」



 有り得ない…!



気が遠くなりそう…



「そう。



その人は、すごく格好良くて、背も高くて、すごくモテる人だった。



幼なじみで、仲は良かったんだけど。



彼の方が五つも年上だったの。



そのせいもあってか、全然相手にされなくて。



兄弟みたいにしか思えない、って。



でも私は、物心ついた時から彼に恋してて、いわゆる初恋の相手だったの」



「へぇ、すごいね!!」


 そんな話は、初めて聞いた。