★ブルーの彼方★

「失恋しちゃったみたい…」



 この言葉を口にしながら、胸の奥がぎゅっと締め付けられた。



そうだ、現実に認めなくちゃいけないんだ…。



誰にもまだ、言ってなかった。



心で思うのと、言葉に発するのではやっぱり違う。



了の履いている、コンバースのスニーカーに視線を落としていた。



「そうなんだ…」



 暗く重たい口調で、了は言った。





 それからしばらくして、了はショルダーバッグをかけ直し、こう言った。



「聞くだけしか、出来ないかもしれないけどさ。


だけど、話しちゃえば楽になるかもしれないし」


 その声は、私の心を優しく包み込んでいくように感じた。





 それから、木村君との出来事を話した。




了は頷きながら、私の言葉を引き出してくれてるようだった。