★ブルーの彼方★

「了は兄弟いないの?」


「メチャクチャ出来のいい弟が、一人いてさ。



運動も勉強もできて。



僕はいつも中くらいでしかなくて…



だから、ずっと比べられてきた」



 了の視線が、だんだんとうつむき加減になっていってしまった。



「私は一人っ子だから、そういうの味わったことないな。



でもさ、了には了のいいところがあるじゃん」



「そうかな?」



「あるある☆


優しいもん!!」



「そんなの、僕のたった一部分にしか、すぎないから」



 怖いくらいに真っ直ぐに、私の方を見つめて了は言った。



私はどんな顔をして、どんな言葉を返したらいいのか、戸惑ってしまった。