写真が元通りになって、本当に嬉しい!!
ちょっと所々、ジュースでシミになっちゃってるけど。
ボロボロになってしまっても、それでもこれだけは大切…
「夏季の家族って、仲良さそうでいいよな」
了から初めて夏季と呼ばれて、ちょっとぴくりとしてしまった。
「仲良かったね、きっと。
でもね、お父さん死んじゃって。
あまりにも、ちっちゃい頃だったから、記憶にあんまり残ってなくて。
だから、写真持ち歩いてるんだ」
「そうなんだ…。
知らなかった。
何か、苦労してそうだね」
「そんなことないよ。
たまに、そういうのをネタに、クラスメートに陰口言われたりしたけど、気にしないようにしてたし。
何よりお母さんがすごく、二人分頑張ってくれたし」
「そっか」
何だか、了の表情が暗くなったように感じた。



