★ブルーの彼方★






 写真が元通りになって、本当に嬉しい!!




ちょっと所々、ジュースでシミになっちゃってるけど。




ボロボロになってしまっても、それでもこれだけは大切…



「夏季の家族って、仲良さそうでいいよな」



 了から初めて夏季と呼ばれて、ちょっとぴくりとしてしまった。



「仲良かったね、きっと。



でもね、お父さん死んじゃって。



あまりにも、ちっちゃい頃だったから、記憶にあんまり残ってなくて。



だから、写真持ち歩いてるんだ」



「そうなんだ…。



知らなかった。



何か、苦労してそうだね」



「そんなことないよ。



たまに、そういうのをネタに、クラスメートに陰口言われたりしたけど、気にしないようにしてたし。



何よりお母さんがすごく、二人分頑張ってくれたし」



「そっか」



 何だか、了の表情が暗くなったように感じた。