江利は了を、羽交い締めにした。 「離せよっ! 離せって!」 江利にとり抑えられ、それでも了は、抵抗し続ける。 「いい加減にしてっ!!」 私は力一杯声を出し、了の目の前に立った。 その瞬間、了はじたばたとしていた手を、ようやく止めた。 江利の腕を振りほどき、了は潤んだ瞳で私をじっと見つめた。