バイトが終わって、ロッカーで着替えをしていると、 「夏季!! 夏季のチャリが……」 そう言って江利が、こそこそと走り寄ってきた。 「何?」 私はおっきめの声で聞いた。 「しーっ! 静かにこっち来て」 その江利の言葉に、そっと通用口の扉を開け外へ出た。 積んであるダンボールの影に、そっと隠れた。