★ブルーの彼方★






 通り過ぎるカップルを眺める度に、うらやましく感じた。





「お疲れ−っ!」という声と共に、いくつかのバンドのメンバーが徐々にガラスの扉から出てきて、とおり過ぎていく。



「あっ! 木村の……」


 そう、立ち止まる声がしてよく見ると、モヒカン君だった。



「久々!」



 私は作り笑いを浮かべ、言った。



「今、木村呼んで来てやる!!」



 そう言って、また中へと戻っていった。



彼はほんと、面倒見がいい。



 数分後、モヒカン君と一緒に、木村君がやってきた。



私はベンチから立ち上がった。