「うん、でも好きっていうか、錯覚だったみたいで…。



さっき店にいた、了に紹介してもらったんだ。



でもやっぱ私、元彼とよりを戻すことになって。



元々言っとくけど、私と洋真は付き合ってなんかいないよ。



ただ、相談に乗ってもらってただけ。



でもいい男だから、ちょっと、揺らいだけど。



洋真もあんたのことで、悩んでた。



だから今ごろ、きっと後悔してるよ。



あんたが、会いにいってあげて。



今夜、Mスタジオで練習するって、言てたから。



何かさぁ…



あんた、私に似てるから、ほっとけなくてさ」



 彼女のその言葉に私は、ただ驚いていた。



彼女はそれを言いに、ここまで来てくれたんだ。


ちょっと、人騒がせなところもあるけど。



「伝えてくれて、ありがとう」



 私は心の底から言った。



「こっちこそ、ごめん」


 そう言って、走り去っていった。