その時、家電が鳴った。 ♪ー…♪−…♪… 何だか、その音はいつもと変わらないはずなのに、すごく不気味に耳の奥まで響き渡ってきた。 「もしもし」 母は受話器を耳にあて、言った。 母がだんだんと厳しい表情へと変化していく。 「いい加減にして!」 そう、母は叫んでいた。 それから、受話器を勢いよく置いた。