その時だんだんと近づいてくる影が、街頭の明かりに照らされ江利だと気がついた。 「店以外でも仲が良いなんて、さすが。 さえない同士釣り合いがとれてるー」 そう言いながら、江利はじろりとこちらを見て、真っ赤な傘をさして颯爽と歩いていく。 バッグに付いた、金色に輝くタグが光って見えた。 「ほんと、すんごい感じ悪いね、あの子」 了は顔をひきつらせ、言った。