私は駆け出していた。 ふらふらとした、不自然な走り方しか出来ない… やっぱり、私にはこの靴は似合わない。 ふさがりかけた傷も、また開いた気がするし… さらに、靴擦れもできて痛い。 この靴が履きこなせたら、木村君の隣にもう少し長くいられたのかな? そんなんじゃないことは、わかってる。 でも、悔しい…悔しい悔しい悔しい!! 木村君との想い出を追いかけないですむように、今は走り抜けたかった。