★ブルーの彼方★






 暗くなっているステージに、ギターをぶら下げた木村君の姿が見えた。


ちょっと自信なさそうに、背中が丸まってしまってる。



何だか、こっちまで不安になってきちゃう…



大丈夫かな?



でもきっと、木村君なら大丈夫だと、信じたい!




 しばらくチューニングをした後、ライトが一斉に木村君を照らし出した。





 なのに木村君は、ただ遠くを見つめ立ち尽くしているだけだ…



七人しかお客さんがいないのが、ショックなのかな?



無理してでも、友達を誘っておけば良かった。



今までの「ラブレター」の客数は、満員まではいかないものの、三、四十人は入ってた。



きっと、他のメンバーの出演中止によって、ライブそのものが行われるかどうか、わからなかったせいもあると思う。



それとも、一人だから緊張してるのかな?