暗くなっているステージに、ギターをぶら下げた木村君の姿が見えた。
ちょっと自信なさそうに、背中が丸まってしまってる。
何だか、こっちまで不安になってきちゃう…
大丈夫かな?
でもきっと、木村君なら大丈夫だと、信じたい!
しばらくチューニングをした後、ライトが一斉に木村君を照らし出した。
なのに木村君は、ただ遠くを見つめ立ち尽くしているだけだ…
七人しかお客さんがいないのが、ショックなのかな?
無理してでも、友達を誘っておけば良かった。
今までの「ラブレター」の客数は、満員まではいかないものの、三、四十人は入ってた。
きっと、他のメンバーの出演中止によって、ライブそのものが行われるかどうか、わからなかったせいもあると思う。
それとも、一人だから緊張してるのかな?



