★ブルーの彼方★

「あの日、楽しかったな……」



 つぶやくように、木村君は言った。



その言葉は、風に乗ってどこか遠くへ流されていってしまいそうだった。




もうすでに、過去…過去形なんだ。



彼の中では。



「みんな、いてさ」



 そう言いながら、木村君はコンクリートに視線を落とした。





 えっ? 私との話じゃないの?!



「みんな?」



 私は思わず聞き返した。



「そう、バンドのメンバー」



「今日ライブだよね?」


 念のため、確認してみた。



「うん、だけど解散かな。



元々、微妙にモテたいから始めただけだったから、音楽のことにみんなそんな興味なかったしさ。


リズムも全然下手くそすぎて合わないし。



そんなだから、長続きするはずもなかったんだよね」



 潤んだ瞳で、遠くを見つめ言った。



こんな木村君の表情は初めてみる。