★ブルーの彼方★

「平気…」



 そう、声を出すのがやっとだった。



いなくなったはずの、木村君が目の前にいる……。



「膝と手? 他は打ってない?」



 ようやく木村君の呼吸が落ち着き、その場に彼は腰を下ろした。



「うん」



 うなずきながら、木村君の手元に視線を移すと、ビニール袋が目に入った。





 彼はその中から、消毒液と何種類かの大きさのバンドエイド、ティッシュ(しかもボックス)、湿布、包帯を取り出した。どれも新品だ。