★ブルーの彼方★

「大丈夫？」



　背後から、木村君の声が響いた。



ビクッとなり、すごく驚いた。





　いつになく息を切らせ、汗が顔からポタポタと流れ落ちてる。



そんな木村君を見たのは、初めてだった。



「痛そう…」



　心配そうな表情で体をかがめ、木村君は言った。



鼻筋が通ってて、ちょっとつり上がった目。



だから、初めて見た時は、ぶっきらぼうで冷たい人のように感じたんだ。



本当は、そんなことなかったけど。



久しぶりに見る木村君の髪は伸び、前髪が微妙に目にかかってて、邪魔そうだし髪の毛そのものをちゃんとセットしてない感じがした。



いつもはちゃんと決まっているのに。