私は恐る恐る、振り返り駐車場の方向を見た。
木村君はいない。
やっぱり、あの影は木村君だったんだ…。
私だと、気付いてたのかな?
目があったような気がしてた。
そうだとしたら、こんな転んだ恥ずかしい奴のことなんか、無視したいと思ったのかな?
いや、むしろ逃げたとか?
ライブに客として来てもらう……
それだけの理由で、それ以外では顔を合わせたくなかったとか?
何だか、相当マイナス思考になってる。
しかもさっきまでは、見られたくない……そう、必死だったのに。
でも、声をかけてもらえなかった……それは、それでショックなんだ。



