★ブルーの彼方★






 一歩一歩、木村君の大きな背中に向かって歩いていく。



幼い頃から中学まで、水泳を続けていたから肩幅がある。



胸の鼓動が、どんどん早くなっていくのがわかる。



ードクッドクッドクン…ー



毎日満員電車に揺られてても、木村君の隣にいれば辛くなかった。



背が高い木村君は、満員電車では、人の顔や肩が間近にくることはなさそうで、うらやましかった。



私とは、二十センチ以上身長差があった。



人混みで待ち合わせをしても、すぐに見つけることができたし。



電車ではいつも、脂ぎったオヤジが守るようにして立っていてくれた。



でもその代わり、建物の出入り口とかで、油断してると頭をぶつける。って言ってたっけ。



毎日たわいのない話をしてた。



中でも好きな音楽の話をする時は、一番目を輝かせてた。



CDもたくさん貸してくれた♪



美味しかった新発売のお菓子も、次の日買ってきてくれたり☆



子供のころの話、クラスメイト、バンド仲間の話。



すごく楽しかった!!



話せば話すほど、二人の距離が縮まっていくように感じてた!



でも、木村君にとっては、私との距離はどんどん遠くなっていってたんだよね、きっと。