★ブルーの彼方★






 駐車場のすぐ近くまでやって来ると、木村君がフェンスにもたれかかって座ってた。



フェンス越しに、ブルーのTシャツを着た後ろ姿が見える。



黒髪でストレートな髪の毛、長くて綺麗な指、照れると真っ赤になる耳。



大好きだった何もかもがもう、失われてしまうのかと思うと、急に怖くなった。



しばらく、その場にただ立ち尽くしていた。



ずっと一緒にいたい……


離れたくない……



でも今声をかけたら、終わっちゃうんだ…きっと。





 私は鏡をバッグから取り出して、無理して笑ってみる。



ほおが強張って、作り笑いですらうまくできない。



しまいには、涙でにじんで自分の顔が歪んで見えた。



最後は、笑っていたい。