俺様彼氏に気をつけて!?

「別に。なんでもねぇ」

「まったまたー僕に何でも相談してよね?」

「お前に相談しても解決しねーよ」

「あーあー、何にも聞こえませーん!」

奏斗は大袈裟に耳を塞いで言った。

こいつのこういうとこは好きだ。

一緒にいて楽だから。

突っぱねる必要がないから。

「まぁ言いたくない事なら無理に訊かないけどさぁ。いつでも頼って来いよ」

「あぁ」

サンキュ奏斗。

俺は心の中で呟いた。




ひなside

「で、言いたいことってゆうのは?」

水樹が遠慮がちに訊ねた。

佳奈も興味深そうに見つめてくる。

「うん。あのね……」

ゴクッ

ちゃんと言わなきゃ。

言わなくちゃ前に進めないんだから。

怖い……けど! 言わずに後悔はしたくない!

「私は、千晶が好き!!」

「なーんだそのことかぁ」

……へ!?

今なんて?

「それなら薄々気づいてたよ」

佳奈が……知ってた?

私は水樹に視線を送った。

水樹は私の気持ちに気づいていた。

佳奈に教えるとしたら水樹しか――

「私は言ってないわ。佳奈が自分で気づいたの」

そっか。水樹、疑ってごめん。

「ひな。言ってくれてありがとう」

佳奈はにっこりと笑って言った。