もう朝か。

学校行かなきゃ……。

重い体を起こしてベッドから降りた。

千晶に彼女を解消されたのが昨日のこと。

あれから私はどうやって家まで帰ってきたのかよく覚えていない。

覚えているのは千晶の最後の言葉だけ。

『もう彼女は解消してやるよ』

昨晩はこの言葉が頭の中でぐるぐるして全く眠れなかった。

それともう一つ。

別れ際のキス……

千晶はどうしてあんなことしたの?

分からない。

千晶が分からないよ……。

それから私は重い足取りで学校へ向かった。




学校へ入ると幸いにも廊下にほとんど人はいなかった。

きっとまた昨日みたいに囲まれると思ってたから何か拍子抜けしたな。

一人静かな廊下を歩いて教室へ向かった。

ガラッ

「お、おはよう」

私が入ると、さっきまで騒がしかった教室内が静まり返る。

まぁ予想してたから別にいいけど。

はぁ……

小さくため息を吐いて自分の席に座る。

「おはようひな。良かった……」

私の一つ前の席の水樹が話しかけてきた。

水樹がいつも通り話しかけてくれたのがすごくうれしかった。

「何が良かったの?」

「だって昨日あんなことがって……もしかしたらもう学校来ないかもって心配してたんだから!」

水樹っ……

ありがとう。

「私は大丈夫だよ、ありがとう水樹。 それにしても……」

「ん?」

おかしい。

どうして今日は何もされなかったんだろう?