その日の放課後、例の3人で帰りながら佳奈が口を開いた。

「それで昼休みに言った聞いて欲しいことなんだけど……」

けれどまだどこか言いにくそうで口ごもる。

「あ、言う前にひなに一つ聞いてもいい?」

……? 何だろう。

「あの、ひなって……千晶君のこと好きなの?」

ハァ!?

何がどうなってそうなるの!!

「んなことあるわけないでしょ!」

つい勢い余って叫んでしまったι

その勢いに少し驚いている佳奈と水樹。

「ひな、何をムキになっているの?」

水樹が不思議そうに聞いてきた。

「べ、別にムキになんてなってないけど!?」

あ……声裏返ってるし。

水樹は「そう」と言いながらクスクスと笑っていた。

だから違うっつーのに!!

「ならいいんだ。 じゃあ話すね」

そして佳奈が覚悟を決めたように言った。

「あたし実は……千晶君のこと好きなの!!」

……え、今なんて?

佳奈が千晶を、好き?

「や、やめときなさい! あんな極悪人!!」

私が言うと水樹も加勢してきて、

「そうよ! あいつは女を弄んで楽しんでいるようなヤツなのよ!?」

いや、何もそこまで言わなくてもね?

千晶は弄ぶどころか、心底女の子が鬱陶しいみたいだし。

でもそれとこれとは別!

あんなドSで俺様な肉食獣と佳奈を付き合わせるなんて出来ない!

私と水樹の気迫にたじろぎつつ、佳奈は頬を赤らめて言った。

「でも……好きなんだもん」

……ッ

「一度好きになっちゃったら、もう止められないんだもん!」

佳奈……。

「ひなは千晶君と仲がいいみたいだから、良かったら協力してもらいたくて……」