今頃考えても遅いが、母だって落ち込むことはあったかもしれない。でもそれは知らない。彼女が見せようとしなかったからだ。見せたくなかったのかもしれない……
 いつもいつも、めまぐるしくて、まるで小さなつむじ風のような、愛すべき、母だった。
 私はあなたの死と共に一生を生きると決めた。まろ君は私を支えてくれている。
 彼は訓練所に出すけど、仕上がるのはいつだろう。今はそれすらもう、気長に待つつもり。まもる君にもそう言ったよ。  さいごまで、言えなくて、ごめんね。
 こんな気持ちをくれて、ありがとう。
 大好きだよ、ママ……。  
end