「言わずともわかります『エルナリア』、マリアはもう死んだの」


 そういうと少女は怒りにまかせてまた泣き叫んだ。


「マリアしかいなかったのに。あたしにはマリアしかいなかった。だれもいなかった」


「それは違うわ、あなたがかかわってきた数だけ、やさしいひとがいたはずよ」


「違う、ちがう、ちがう! だったらどうしてあたしのマリアは殺された。悪魔なんて、疫病を蔓延させたなんて」


「子供だからよ。あなたに聖性を証明できるだけの説得力がなかった。村人は納得いかず、そこで弱いあなたはつけこまれたの」


「あたしは弱くなんかない」