人がいない1年生の多目室で、わたしと麻里は対峙する。 針の合ってない時計が、頭の上で無駄に音をたてていた。 「…あんた、戸唖を自分のものにしようとしてるでしょ」 「そうよ?だから何だっての?誰を好こうが、アタシの自由よ。」 正論。 だからどうしたの。 “ 世奈、負けるな ” うん。 うん。 わたし負けないよ、楢崎君。