ヘタカレ王子様。



「なんだよ、急に。
世奈って泣き虫お姫様だったっけ?」

「う゛~る~さ~い゙~ッッ!!」

「ハハは、分かったよ。俺だけのお姫様」


優しくそう言った戸唖は、涙を流すわたしの瞳にキスした

不思議と、安心して涙が止まっていく


戸唖。

わたしだけの、王子様。
















目を覚ますと、ぼんやりとした視界の中で戸唖が居た。

「……とあ…?」

弾かれたように戸唖は振り返る。
じっとりわたしを眺めて、


「世奈?起きた?」

「…うん」

情けなく戸唖の目が潤んだ。だけどすぐに、

「喉乾いたろ?お茶と水どっちがい?」

「………おちゃ」

「了解」


あぁ…
なんだか落ち着く…。

でもここって、誰の家…?







「え。戸唖の家?」


つらりと言ってのけた戸唖に、思わず聞き返してしまった。

「うん、そうだよ。世奈ってば寝るから」


話によれば、安心したわたしは眠りこけ、戸唖の家が近くだったため連れてきたと。

彼氏の家?
えぇ、初体験ですことよ。



「――うわうわ世奈ってばやめっ!!」

「心の準備なんて出来てないわよ!!彼氏の家には、かっ…覚悟ってのがいるでしょうが!!」


-クッション投げ合い中。
少々お待ちください。



「だーかー…ら、やましい事は、しな、いから…」

お互いにやっとのことで落ち着きました。