「ひいい!離して、離してよおおおっっ!」


あたしは精一杯の力で暴れて抵抗する。

殺されたくない!その言葉だけが頭を支配していた。

お願い、殺さないで!




「................ぃ、唯!!」


「へ........」


聞き慣れた声に耳を疑う。だって、この声...。

慌てて振り返るとーーー困ったような顔をしたお兄ちゃんが立っていた。