「そして、一つじゃないだろう」

「何を言う!二つで一つ!そう、お前と私のように、夫婦は常に一つと数えられてもおかしくはないのだ!」

「お前の考え方はおかしいから、無効だ」

「私とお前の間に無効試合など存在しない!あるのは無制限子作り一本勝負!」

「砕けろ」

ナックルパートで燕を粉砕する。

「不調はない。だが、挑むとしても魔力が足りない」

一度負けたから何だというのか。

目の前の馬鹿を見てると、任務が失敗などという考えに陥った自分が愚かしいと思える。

改革派代表として、俺は結果を出さなくてはならないのだ。

だから、何度でも挑まなければならない。

魔力回復まで時間がかかりそうだ。

冷静になる時間も必要だ。

今の状態で戦いを挑んだところで、先ほどと同じように負けるのが関の山。

学習しなければならない。

せめて、完全に魔力を回復したところで、叩く。

完全勝利を狙うならば、葉桜丞が変態してから挑む。

しかし、葉桜丞一人にし、本体だけを狙えば間違いなく始末をつけられる。

葉桜丞自体には、これといった能力はない。

何故ならば、何の能力も使う事無く向ってきたからだ。

もし、能力があるならば教会にいた眼鏡同様に、俺に何かしらのダメージを与える事が出来ただろう。

「逃したお前の慢心は大きいぞ」

「よし、気合が入ったのは私のおかげだな。今晩は私に添い寝する事を所望する」

「一人で枕をぬらしていろ!」