教会の扉は破壊されており、教会内もボロボロであった。

「どうなってんだ、こりゃ」

教会内に入って中を確かめると、再起不能なほどだ。

「ごめんにゃ」

琴が物影に隠れて、顔をこっそり出す。

「この短時間の間に、何があったんだ」

「眼鏡さんが怖い事を言うから、トラウマが発動したにゃ」

舌を出してるが、憎たらしさしかない。

アカ・マナフは椅子に座って待っているようだった。

「何を言ったんだよ?」

「死地とは何なのかを、一から話し合っていただけなんですがね」

「子供達は!?」

マリアが心配そうな声を上げて、奥の部屋に向う。

「大災害があったのはココだけですよ。しかし、面白いアトラクションでしたね。一年に二回は会って欲しいものですよ」

やはり、どこかネジが取れているといっていい。

「お前、よく自分の家を破壊せずに済んだな」

「一人だと思えば辛くないにゃ。でも、他の人がいると、少しでも話し相手が欲しいと思うにゃ」

「はは、何て迷惑な」

「吟ちゃーん」

琴は吟の胸に飛び込んだ。

吟は抱き上げて、頭をなでる。

「ロベリアの胸も捨てがたいけど、、吟ちゃんの胸の中が一番にゃあ。お母さんみたいにゃあ」

「お前とアチシはあまり歳は変わらないアル」

「そ、そんな事言っちゃ嫌にゃ!寂しい老後の隠居生活を考えるだけで不幸にゃああ!」

「おいおいおいおいおい!止めろって!」

俺達のいる場所だけに、大粒の雹が降り注いできたのは言うまでもない。