「アチシ、もっとすごい猛者に出会ったアル」

目の前にはお吟さんが、見知らぬ男とヤっている。

「え、ええ!?」

俺は身動きの取れない状態でいるようだ。

「ちょ、ちょっと、待って、それは俺がいらないと?」

「ああ、お前よりも、昇天できるアルよ」

「そんなあ」

「お前は、もう用済みアル」

お吟さんに跨がれている猛者の顔はイヴァンだった。



「いやあああああああ!」

全身汗だくになりながら、起き上がる。

「いててててて!」

腹を押さえながら、蹲った。

「無茶するな」

起きた俺に気付いたのか、机に向っているクルトは俺に近寄ってくる。

「ここは、何処なんだ?」

廃墟からは考えられないような綺麗な一室。

広さは、八畳分はあるだろうか。

窓は少し汚れてはいるが、街の物ほどでもない。

ベッドのシーツも白い。

俺の巻かれている包帯も白い。

段々と落ち着いてくると、俺の記憶が戻ってくる。

「マリアは?」