「ついでに、マリアのボディーガードもパパが引き受ける!」

「それでは、あなた達は、帰ることが出来ないのでは?」

「マリアは子供達を救って良かったと思ってるやろうけど、マリアを救ってくれる奴は誰もおれへん!そんなん、ウチは納得せえへん!」

「あの、赤城さんは、それでいいのですか?」

「マリアさん、それで構いませんよ」

今までマリアさんを求めてきた人達が、教会へとやってくるとします。

彼等と死地のやり取りが出来るのなら、問題はありませんね。

「これで話は終わりや!マリアも解ったな!?」

「出会って間もないのに、どうしてそこまで?」

「ウチやって、ここで生きていく本当の辛さを知ってる。マリアと同じや。だから、ウチも見て見ぬフリなんかせずに、助けようと思えるんや」

「はあ、ありがとうございます」

マリアさんは内に溜め込んだ物を吐くように、言葉を出しました。

「ホラ、子供達も待ってるで!」

摩耶さんとマリアさんは先に部屋から出て行きましたね。

しかし、こうも死地に辿り着く道に近づくとは思っても見ませんでしたね。

しばらくは、廃墟に留まることになりそうですね。

「しかし、よく抑えられていますね」

マリアさん一人の頑張りで、子供達を守っているのは解ります。

廃墟の住人が約束を守るのも珍しい事もあるものです。

それほどに、マリアさんの体に溺れているといってもいいのでしょうか。

「私としては、死地に辿り着ければ、それでいいのですがね」

次に彼等がここに来る日が楽しみで楽しみで、笑みがこぼれてしまいますよ。

「さて、私は私で、物資でも集めにいきますか」