妖魔05~正道~

子供達は摩耶さんに任せる事になり、私はマリアさんと共に奥の部屋へと入ります。

「お掛けください」

「マリアさんのご好意を無為に出来ませんね」

私は傍にあった椅子に座ります。

「いいすわり心地ですね。マリアさんのセンスには脱帽します」

「子供達が作ってくれたのです」

マリアさんも椅子に座ります。

「赤城さん達は、何故廃墟に?」

「マリアさんに私の名前を知っていただけているとは思いもしませんでしたね」

「先ほど、赤城摩耶さんが仰っていましたから」

「マリアさんは素晴らしい聴力をお持ちのようですね。鼓膜をどうやって鍛えているのか教えてもらいたいところですよ」

「いえ、あの、それよりも、赤城さんが廃墟へ来た理由をお聞きしたいのですが」

「知り合いの墓参りに来ましてね。途中でマリアさんを見かけたので、教会に来たんです」

「お邪魔したようで、すいません」

「いえいえ、マリアさんのおかげで、摩耶さんの心の奥にある無邪気な姿を引き出す事を可能にしたんです。しかし、マリアさんは素晴らしいですね。子供達を養うのに自分の身を捧げる母性の塊ともいえる行動をとる、想像を覆されましたよ」

「廃墟では誰かがやってくれるとは思ってはいけません。でも、誰かが子供達を救わなければならないんです」

「マリアさんを突き動かす源は何なのか、それを知りたいところですね」

私の時代では派閥はあれど、誰も子供を守る代表として立つ人はいませんでしたからね。

時代が変わったという事なのでしょうか。