今日は雨ですか。

雨といえば、酸性だという事を聞きましたね。

環境破壊には興味はありませんが、摩耶さんの肌の天敵になりかねません。

「パパー、ホンマにカッパ着なあかんの?」

「今日の雨は酸性ですからね」

「うーん、パパが言うんなら確かなんやろうけど、何でババ色なん?」

「摩耶さん、とても似合ってますよ」

「ホンマに?パパもピンク色のカッパ似合ってるで」

「素晴らしい評価をありがとうございます。こっそりと用意してて良かったですよ」

私達は荷物をまとめ、家を出ます。

歩いている途中、飛鳥さんが私達の元に走ってきます。

「はあ、はあ、葵さん、知らない?」

「おや、飛鳥さんじゃありませんか。葵さんのために動けるところは尊敬に値します」

「そんな事はどうでもいいの!どこに行ったか知らない?」

「武者修行の旅に出ましたよ。帰ってくるときには強くなっている事でしょう」

「また、あんたが何かしたの?葵さんに、何したのよ!?」

「引き止める事は彼女の意思に反すると思いましたので、笑顔でお見送りしただけですよ」

「はあ?」

素っ頓狂な声を上げるところ、自分も笑顔でお見送りしたかったのかもしれませんね。

「ああ、飛鳥さんに一つお願いがありまして」

「何よ?」

「ええ、飛鳥さんに私の変わりに教師をやってもらいたくてですね」

「はあ!?」