「何で!?何でまたあそこに戻るん?」

「マヤさんのお墓参りに行こうかと思いましてね」

「マヤって、前にパパが話してくれた、私に似てる子?」

「ええ、もう何年もお墓を綺麗にしてませんからね」

「パパ」

乗り出した身を引っ込め、座ります。

「ええ、何でしょう?」

「前に聞いたけど、もう一回聞きたい。ウチ、その子の代わりなん?」

「私にとって摩耶さんは摩耶さんです。決してマヤさんにはなれませんし、マヤさんは摩耶さんになれません。拾った当初は似ていたからという理由もありますが、結局は容姿が同じであれ、あなたは別人です。だからといって、比較などしたところで意味がありません。今のあなたは料理が出来る女性らしいただ一人の摩耶さんです」

「パパ、答えてくれてありがとう」

「お気になるのならば、私が生きている限りでは何度でもお答えしますよ」

「うん」

笑顔になり、メザシ料理を食べて行きます。

「パパ、ウチも行く」

「おや、楽しい帰省になりそうですね」

「今、どうなってるんやろ」

「現状は解りませんが、摩耶さんを拾った時のように変わりはないんじゃないですかね」

四天王という統率者がいない今は、変化はないでしょう。

彼等がいれば一つ一つに集まる人数が多くなり、抗争が激しくなり被害も多くなるというものです。

周囲で疎らに起こる抗争は素人の喧嘩に過ぎません。

そこで、死体が出ようと被害はそれだけですからね。