「これを飲んで、明日への英気を養って下さい」

「パパ」

私の顔を見つめて、抱きついてきます。

「ウチ、ウチ、死ぬかと思った、めっちゃ怖かった」

「元気でなによりですね」

「それは置いといて!今日もメザシ料理作ったる!絶対に、パパに食べさせる!」

よろつきながらも立ち上がるところ、宿った大和魂は尽きる事はないようです。

「それはありがたいのですが、料理中に包丁を足に落としてしまいそうですね」

「問題あれへん!ウチは怪我してようが負けへん!打倒!メザシや!」

「まさか、日課のメザシ料理を絶やす事無く食べられるとは思いもしませんでしたよ」

「パパのためなら、やったるんや!今日はメザシの革命料理!メザシの世界へおいでやすう、や!」

名前を聞く限りでは、私の胃に素敵なメロディーを届けてくれそうですね。

しばらくすると包丁の刻む音が聞こえてきます。

私はその間に、お汁粉DX・NEOを飲み干しました。

数分後には料理は出来上がったようで、見るからに栄養が付き添うなメザシ料理が並んでいますね。

「いっただっきまーす!」

メザシ料理は食べるごとに味の上手さが増すという革命を起こしているようです。

メザシさんもここまでおいしく料理されれば、死地にいける事も本望でしょう。

「摩耶さん」

「なにー?」

「明日、故郷へ帰ろうかと思います」

「え?あそこにいくの?!」

摩耶さんがお箸を机の上において、身を乗り出しています。