吟を抱えながら、クルトの元へと歩いていく。

「お前のおかげで命拾いした。お前は最高の仲間だよ」

「職探しの人手は一人でも多いほうがいいだ」

「そうだな」

クルトの本心が丸わかりなほどに、頬が赤い。

「これ、お前が決めろ」

瓶の中に入ったジャスミンをクルトから手渡される。

瓶を見つめる。

弱い光を放っていて、何かを訴えている。

しかし、俺には読み取る事が出来ない。

もう一度、体内に入れれば、再び暴走する可能性がある。

「私の妹が皆に迷惑をかけたようで、ごめんなさい」

頭を下げる。

「気にするな」

姉を異常に愛した妹。

過剰すぎたが、ジャスミンの気持ちも解らないでもない。

「あ、あの」

傍には腕を押さえた千鶴が立っている。

「どうした?」

「こうなってしまってからでは遅いかもしれないけれど、ジャスミンにも時間が必要だと思うんです」

「そうだな」

ロベリアをちら見してから、息を吐いた。

「私にジャスミンを任せていただけないですか?」

「千鶴、お前」