『私は、生き延びた。それで、姉さんに、愛されたかったのに』

侵食がスピードを上げる。

「ロベリア!離れろ!」

俺はロベリアを突き放すと、自然と黒き鎧を纏っていく。

意識も、ジャスミンに乗っ取られていく。

『姉さんと共にありたかったのに!』

「く、そ」

意識は深層に落ちていく。

ベンチに座る自分。

電灯はついておらず、暗闇の中。

雨も降っている。

これが、ジャスミンの気持ちだとでもいうのか。

俺は、どうすればいい。

どうすれば、皆が上手く行くのか。

「何とか、ならないのか」

もがいても、もがいても、何が変化があるわけではない。

雨でずぶ濡れになっていく。

「ロベリア、千鶴、クルト、無事でいてくれ」

上空を見上げて、ただ祈るだけしか出来なかった。