気付けば、骨で埋まった地面の上に立っていた。

「ここは、何だ?」

周囲を見渡すと、青い世界が広がっている。

空が青く、傍に流れる川も青い。

「死んだ、んだよな?」

他の人もいるが、虚ろな目をしている。

しかし、争いあっているようだ。

腰辺りに布を巻いたような裸に近い格好であり、俺もそうだ。

「記憶もあるし、意識もあるよな」

「私がそう設定させてもらった」

空間の裂け目から現れたのは、白衣のラインだ。

「ライン、お前は何故」

「私は君とは違う。それだけの話だ」

前々から不思議な奴と思っていたが、常軌を逸している。

「君の死んだという情報が入ってね、見失う前に君に接触したのさ」

「そうか。それで、何で俺を他の奴等と違うようにしたんだ?」

「興味本位というところかね。君とはかかわりが深い。この別世界でどう動くのか気になるのだよ」

「そうか。それで、俺のいた世界にはもう戻れないのか?」

「君が強く望むのならば戻る方法はある」

「本当か?」

「だが、誰にも触れる事は出来ない。気付く人間もいるだろうが、話は通じない」

「げ、地縛霊かよ」

皆を見られるのはいいのだが、どうしようもないじゃないか。

まさか、自分が悪霊の類になるとは思いもしないじゃないか。

「だが、君が戻る選択をするかどうか迷う事になるだろう」

「どういう事だ?」

「地獄の中にも仏あり、という事だよ」