「面倒くせえほどに強えな」

口で缶の蓋を開け、傷口に振りまき残りは飲む。

しかし、魔力の流出を止めただけで、回復は少量しかしていない。

「だが、革命の意志は消えちゃいない」

俺の前にマリアが出てくる。

「何のつもりだ?」

「赤城さん、私は彼に連行されます」

戦闘を望まないという事か。

「おやおや、マリアさんの用心棒という依頼はどうしますか?」

「依頼を変更してもよろしいですか?」

「おや、何でしょう?マリアさん」

「子供達の用心棒として、お役に立っていただけませんか?」

「ええ、マリアさんが仰るのでしたら、構いませんよ」

「マリア、何で、そんなん言うん?子供達と離れたくないやろ?」

「摩耶さんの顔を見ていたら止めないわけにも行きません。それに、摩耶さんなら、子供達をしっかりと導く事が出来ます」

「マリア!子供達の気持ちはどうなるん!?」

「私の変わりはいませんが、これも定めなのでしょう」

「マリア、パパが、パパが何とか」

マリアが首を振り、微笑んで俺のほうへと歩みだす。

「行きましょう」

俺はマリアを連れて外の世界へと向う。

燕は終始無言のまま、俺に付いてくる事はなかった。