「今のは」

足の上で目を覚ます。

ロベリアは、俺を見ていた。

「お姫様」

「見えたのか?」

「王子様の夢が、流れてきた」

「そうか」

一応、『契約』という形でロベリアとは繋がっているからな。

流れるという事は、大きな影響だったのか。

「吟は何も教えてくれなかったからな。でも、見れて嬉しかったぜ」

久々の吟の姿。

本当は死んでいないのではないか?

まだ、今も生きているかのような感覚がある。

だけど、本当に、吟は息をしていなかったし、心臓も止まっていたんだ。

もう、いないんだ。

しかし、原初に近き者が七匹もいたとはな。

吟と龍姫の他に、五匹か。

もしだ。

もし、七つの装飾品を集めれば、どうなるんだ?

肉体が欠けている以上、吟の元であった彼女が戻る事はないが、装飾品が集まる可能性は捨てきれない。

何か、特別な事が起きたりするのだろうか。

「まさかな」

装飾品は装飾品だ。

今のところ、腕輪が何かを発揮した事はない。

吟も、それを解っていたから、手放したのか。