夢を見る。

過去の夢。

七つの装飾品を付けた一人の女性が、憂いた顔をしている。

彼女は神々しく煌びやかで、誰にも負ける事のない絶世の美女といってもいい美貌を持っていた。

しかし、彼女は孤独だ。

例え、美貌を持っていようと誰かが褒め称える事はない。

彼女は常に一人だった。

話し相手も、愛する人も、周囲には誰もいない。

彼女にも、感情は存在した。

寂しさのあまり、彼女は体を七つに分けた。

そして、一人に一つ、装飾品が手渡った。

腕輪の持ち主である、『吟』はそこで生まれたのだった。