あの時、捕まった美咲達と同じシステムが組み込まれているのだろう。

「黙れといってるだろうが!」

俺は攻撃をはじく。

妖魔側としては妥当な判断だろうな。

不穏分子として殺されなかったり閉じ込められなかっただけでも、ありがたいと思わなければならない。

「今日は急いでるんだ。本調子に戻ったら、またやろうぜ」

俺は隙をついて、刃の攻撃を避けるのと同時に逃げる。

「あ、待ておら!」

本当は二度とやりたくないけどな。

刃を何とか撒いて、走って校門前に辿り着く。

「はあ、はあ」

子鉄が特に何かをするでもなく、立っていた。

「え?遅刻の償いをしたい?」

「さっき、変な奴に追いかけられてたんだ」

「社会人になる身として、もっと納得のする言い訳を考えなさいよ」

事実を言ったまでなのに、納得してくれない。

「すまなかった。遅刻したのは確かなんだしな」

「じゃ、行くわよ」

「どこで面接を受けるんだ?」

「アンタの場合、筆記テストと模擬戦になるけどね」

「模擬戦?」

「退魔師になるのに必要なのは、筆記テストに身体テスト、面接になってるんだけど、筆記テストと身体的テストだけになるわ。あんたの事は、大体知られてるようだし、面接もないに等しいくらい軽い物になるでしょうね」

身体テストが模擬戦になるって事か。

筆記テストなんて、大丈夫か?

まあ、やらないわけにはならないんだろうけどな。