昨晩、美咲と出会った事以外は、何事もなく終わった。

そういえば、一つ言うのを忘れていたが、俺の部屋はない。

俺の部屋と言っていたが、あれは物置になっていた場所を無理矢理、俺の部屋にしたのだ。

まあ、千鶴曰く、あるにはるがただでは入れないとの事。

瑠璃子の使っていた部屋をロベリア姉妹が使っている。

ジャスミンは凄く喜んでいるんだよな。

朝方に帰ってきたロベリアを起きて待っており、一緒に入った風呂で随分とはしゃいでいたようだ。

そのせいか、今日はぐっすり休んでいる。

「さて、と」

校門前に行かなくてはならない。

「子鉄が待っているんだったな」

どうなる事やら。

「葉桜」

学校の門に行く途中、刃に出会う。

「テメエ、余計な真似をしやがったな」

「確かに、お前からすれば、俺のやった事は納得いかないだろうな」

「テメエとは決着をつけなけりゃ、俺の気がすまねえ」

襲い掛かってくる。

しかし、先日のキレがまったくない動き。

まるで、人間になってしまったかのような動き。

かわしたり、受け止めたりする事が出来るのだ。

妖魔ならば、紙一重になるのだがな。

「不調か?」

「うるせえ!」

よくみると、刃には、どこかで見た物が腕輪として付けられている。

「お前、魔力を吸収されてんのか?」