妖魔05~正道~

「会いたかったよお」

「空気を読みなさいよ」

涙しながら久遠の胸に顔を埋める。

冬狐は久遠の頭を撫でている。

「秋野湊のいう事は間違えではない。改革派に危機が及べば、私達は手助けをする」

「それで、どうするつもりだよ?」

「私は刃と結婚する!」

「話の腰を折るんじゃねえええええ!」

話が前に進まない。

「彼女はとても優秀なのだがね」

ため息をつきながら、道元が前に出てくる。

「人間と妖魔の関係は光と闇。妖魔は常に裏の世界で生きてきた。それは一線を引いてきたといっていい」

「何故、そんなまどろっこしい事をしてきたんだよ?」

「姿も違えば力も違う。住む世界がすでに違う」

「あんたの娘は、ちゃんと人間の世界で生きてきた。いや、人間だったよ」

皆と仲良くし、笑顔を作り、共に行動をしていた。

「それは、変鎖という力があったからこそだ。なければ、畏怖される存在でしかない」

全ての者が、可愛らしい姿をしているわけではない。

「真なる姿をいつまで隠せる。突然、変鎖が解けた際に受け入れる事が出来るか?生まれた時の姿をいつまで詐称できる?」

「それは」

「それは、努力をしていない証拠ね」

湊さんが声を上げる。

「さすが、今の状態を維持させようとする組織だけはあるわ」

半ば呆れたような声色だ。