妖魔05~正道~

「でも、それだけの力と人脈がありながら、今の方法を取る事しか出来なかったのか?」

「あなたは今にも始まるかもしれない戦争を止める考えがあるのかしら」

「改革派を抑えるだけで、良かったんじゃないのかよ?」

「それじゃあ、再び、立ちなおそうとする意志は消えない。だからこそ、徹底的にやらなければならない。絶望の二文字は、必要よ」

「それは、関係のない妖魔や人を巻き込んでまでする事か?」

「選ぶ権利を与えたと言ったでしょう?政策に個々の意志を反映させていてはまとまりがない。種族間では意志の統一は大事なのよ。それこそが、戦争を起こさない第一の手法よ」

言ってる事は、確かなのに、納得がいかない。

「じゃあ、こちらからも聞かせてもらおうかしら」

「何を?」

「常に話し合いで解決出来るような言い方だけど、あなたは襲ってくる兵を殺したわよね?それはつまり、話し合いで解決しようとは思わなかったのでしょう?」

「それとこれとは話が別だろう」

「改革派というのは、話をしても聞こうとはしなかった。つまり、強硬手段を取るしかない。あなたも自分の命を守るために、相手を殺すという強硬手段を取ったにすぎない」

「保守派に協力を要請しろよ。あの妖魔達は戦は起こそうとはしなかったはずだ」

何のために人間界にきていたかといえば、改革派の監視および人間の観察だったはずだ。

「あなた、話を聞かないわね。統一が大事だと言ったでしょう」

「確かに、俺は人を殺した。それは大きな過ちだ。話し合いなんてしようともしなかった。だが、湊さん、あんたは話し合いの出来る妖魔達の意志を踏みにじった事には代わりはないんだ。」

「あの二派は対極にあるようで、実は近い物なの」

「何?」

「妖魔という括りがある限り、彼等は同族であり仲間。改革派や保守派など関係ない。改革派が危険に陥れば、仲間である限りは助けるでしょう。人間よりかと思っているでしょうが、同族の方が大事よねえ?燕さん」