背丈は俺よりも幾分か低い。

柔らかい曲線は女性のようだ。

ラインは半妖は希少種だと言っていた。

ラインはどこで拵えた?

考えている内に近づいてくる。

「言葉は解るか?」

今の状態では、戦いを避けたい。

闘う事を避けるには、会話で解決するしかない。

「あなたは私、私の全て」

何を言っているのか理解が出来ない。

しかし、聞き覚えのある声だ。

「私は求める。あなたの心を」

会話が通用しない相手なのか。

虚ろに呟いてるところが、危険度マックスだ。

「ロベリア、モードチェンジだ」

しかし、ロベリアからの返答はない。

「おい、ロベリア、どうした?」

今はまだ魔力も残っているはずだ。

目の前の黒き鎧が現れてから、何かが起こったと考えるべきか。

今の状態で何とかするしかない。

「姉さん、会いたかった」

「何?」

黒き鎧の声によって、俺の体が動かなくなる。

ロベリアとのシンクロが著しくないせいなのか。

刹那、俺の腹を黒き鎧の腕が抉っていた。