あれから、鎮圧に乗り出しある程度の事は片付いた。

里の事は笹原道元や丸のおっさん達に任せ、俺達は吟の元に帰ることを選択した。

落ち着かせるためには、信頼のある上層部が必要だ。

女性妖魔達は精神を安定させるために、治療が必要となった。

カメリア、チェリー、ティア、美咲も含めてだ。

里から、地元までは少し距離が離れている。

風景が流れていくさまを、じっと見つめている。

まずは、何を整理すればいいというのか。

里には湊さんの姿はなかった。

別の場所にいるのだろう。

彼女がいなければ、話は終わっていない。

俺の前には、ロベリアが座っている。

ジャスミンの肉体にはロベリアが入っており、ジャスミンと増長のコアは別々の溶液に入っている。

そう、戦いが終わった時、ロベリアの肉体と溶液をナンバー01が届けたのだ。

準備がいいというか、タイミングがいいというか。

状況を見ていたに違いない。

データを取らせた礼とでもいうのか。

ジャスミンがロベリアに体を明け渡しているのも、ロベリアに出来るだけ自由にしてもらいたいからだろう。

増長の剣は、ナンバー01が検査をするためにもって帰った。

あらかじめ言っておくが、転移は使えない。

「王子様」

ロベリアが沈んだ瞳で、俺を見ている。

「どうした?」

「お姫様は無事、かな?」

「解らない」

正直、あの状況で無事とは言いがたい。

龍姫の顔の曇りも気になる。